安藤選手のニコライ・モロゾフ・コーチ(34)=ロシア=は、タラソワ・コーチの元アシスタント。トリノ五輪では荒川選手を指導し、師より先に五輪女子を制した。06~07年シーズンから指導を受けている安藤選手は、織田信成選手(関大)と一緒に練習した際、「織田選手が失敗しても怒らないのに、私がジャンプを失敗したら、ものすごい勢いで怒鳴られた」と話す。選手の個性に合わせた指導が「モロゾフ流」だ。
「トリノ後に(安藤)美姫と(浅田)真央から依頼があり、美姫を選んだ」とモロゾフ・コーチ。安藤選手がトリノ五輪の惨敗(15位)以降、低迷していた時期だったが「私は難しいことに挑戦するのが好きだから」。演技後の安藤選手を笑顔で出迎え、その健闘をたたえたが、メダルは遠かった。
金妍児選手は1年の大半をカナダ・トロントで過ごし、カナダ人のブライアン・オーサー・コーチ(48)の指導を受ける。彼自身が84年サラエボ五輪で銀メダルを獲得。地元開催の88年カルガリー五輪ではブライアン・ボイタノ選手(米国)との「ブライアン対決」で注目されたが、敗れて銀に終わった。金妍児選手もジュニア時代から常に浅田選手と比較されてきただけに、好敵手との向き合い方を知るオーサー・コーチへの信頼は厚い。オーサー・コーチは客席からため息も漏れるような好演技と高得点での金メダル獲得に、満足そうな表情を見せた。
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