衆院国家基本政策委員長に内定している民主党の樽床伸二衆院議員(51)=大阪12区=が代表を務める党支部に対し、大証ヘラクレス上場の物流会社会長と関係会社2社が、05年8月に計3500万円を寄付していたことが、政治資金収支報告書などで分かった。2社のうち1社は登記上所在地に存在せず、もう1社は寄付の3カ月前に設立されたばかりだった。物流会社会長は個人献金の上限額を寄付しており、それを超えて寄付するため2社を利用した「迂回(うかい)献金」の疑いがある。
当時は郵政選挙の解散前後。物流会社には02年8月、樽床氏の元公設秘書が入社し、昨年9月から代表取締役専務を務めている。また、物流会社の子会社は樽床氏の地元で稼働するリサイクル工場を巡り住民から反対運動を受け、自民党衆院議員がこの運動を後押ししていたという。
物流会社は97年設立で04年12月大証ヘラクレス上場の「ワールド・ロジ」(大阪市、ワ社)。政治資金収支報告書によると、ワ社会長(当時社長)は05年8月14日、「民主党大阪府第12区総支部」に、個人献金の上限である2000万円を寄付。これに先立ち同5日、ワ社関係会社の「アイテム」(ア社)と「U.E.I」(U社)が、会社の規模に応じた上限額である750万円をそれぞれ寄付した。
ア社は03年の設立当初、ワ社会長宅が所在地だったが、寄付前の05年5月、ワ社課長(当時)の知人の親族が所有する空きマンションに移転。課長は「ワ社の上場に伴い私がア社を買った。知人に住所だけ借り、登記上の取締役も名義借りだった」と証言。「ア社の売り上げにはワ社との取引分も含まれ、寄付は私の判断で行った」と迂回献金は否定した。
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