Sunday, September 26, 2010

コンタクト汚職:地方機関に監査不要…住友容疑者働き掛け

 コンタクトレンズ(CL)診療所への指導・監査を巡る汚職事件で、大阪府警に収賄容疑で逮捕された厚生労働省課長補佐の住友克敏容疑者(50)がCL販売店を展開する「シンワメディカル」(大阪市中央区)を指導・監査対象にしないよう、地方社会保険事務局(現・地方厚生局)に働き掛けていたことが捜査関係者への取材で分かった。シンワ社役員の佃章則容疑者(55)=贈賄容疑で逮捕=らには、不正のチェック方法など内部情報も伝えていた。捜査関係者が明らかにした。
 シンワ社はCL販売店に併設した診療所の診療報酬を過大請求していたとみられるが、長年にわたり指導・監査対象から外れていた。府警は、佃容疑者が特別医療指導監査官だった住友容疑者の「功績」と認識し、謝礼に多額の現金を渡したとみて追及している。
 住友容疑者は08年9月まで特別医療指導監査官として、地方社会保険事務局の医療機関への指導・監査を指揮する立場だった。しかし住友容疑者は、シンワ社の診療所への指導・監査の必要性を指摘する複数の地方社会保険事務局に「大丈夫。信頼がある会社だ」などと、対象から外すよう求めたという。
 さらに、診療報酬の不正請求を見抜く方法などが厚労省内で伝達されると、その都度、佃容疑者らに内容を教え、対策を講じるよう助言していた。一方、佃容疑者は今年4月、自分が経営するマンションの女性の部屋に下着を盗む目的で侵入したとして、住居侵入の疑いで府警に逮捕された。この捜査の過程で押収された書類などから、住友容疑者との癒着が発覚したという。
 府警捜査2課は26日、住友容疑者ら3人を大阪地検に送検し、シンワ社などの関係先を捜索した。27日にも東京・霞が関の厚労省を捜索する。

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